口臭が気になるタイミングで誰しもが一番初めに思いつく方法がガムを噛むことだと思います。ガムであれば近くのコンビニでもすぐに手に入りますし、何がなく口にしていても不自然さはなくとても口臭を気にしているようには見えません。
ただ、ガムを噛んだところで本当に相手に口臭を悟られないのか?ガムの香りと混ざって余計に酷いニオイになっていないか気になりますよね?
口臭に対してガムがどれくらい効果的なのか?合わせて口臭に効くおすすめのガムもご紹介します。
ガムの口臭に対する効果
まず、ガムを噛むことは口臭対策に効果的かということですが、結論から言いますと効果的です。選ぶガムを間違わなければガムを噛むことにより以下のような効果に期待でき、一時的に口臭を抑えることができます。
- 唾液の分泌を促進
- ガムの香りによるマスキング効果
- ガムに含まれている消臭成分がニオイの成分を消臭
ガムの口臭に対する効果1:唾液の分泌を促進
みなさんもガムを食べた時に今まで口の中が乾いていたのが嘘のように自然と唾液が出てきた経験ありませんか?あれは実は人間の反射の一種で口の中に食べ物が入ると反射的に唾液が出るようになっているんですね。
唾液というと汚いイメージがありますが、実はその逆!唾液には強い洗浄力があり、口の中の雑菌をエイヤッ!と退治してくれているんです!もし唾液がなかったら人間の口の中には食べカス入り混じり最近が大繁殖!(◎_◎;)かなりえげつないニオイを放っていたことでしょう。
ガムの口臭に対する効果2:ガムの香りによるマスキング効果
市販で売られているガムのほとんどには香料が使われており、ミントを始めとしてありとあらゆる味のガムが販売されています。ガムを食べると爽やかな味がしますが、それはそのまま口臭にも反映され息もすっきりとしたニオイに早変わりします。
ガムの味はたくさんありますが、ミント系の香りは他の香りに比べてマスキング効果が強い傾向があるため口臭対策にガムを選ぶ場合は定番のミント系のガムを選びましょう。ただし、口臭対策にガムを使う場合の持続時間はもって20分程度です。簡単に言うと味が感じられている状態でないと爽やかな香りの息にはならないということです。
最近のガムの中には味が長続きするようなものもありますが、パッケージに30分と書いてある通りで10分延びた程度です。
ガムの口臭に対する効果3:消臭成分がニオイの原因となる成分を消臭
スーパーやコンビニなどで一般的に売られているガムの中でも口臭用に作られたものはファイトケミカルを含んでいます。ファイトケミカルとは植物の細胞の中にある成分を指します。最近話題の赤ワインに含まれるポリフェノールもファイトケミカルの一種で、その他に有名なのをあげると大豆に含まれる"イソフラボン"やお茶の渋み成分の"カテキン"などがあげられます。
ファイトケミカルは現在見つかっているだけで約1500種類も発見されています。この中でも”クロロフィル”や”フラボノイド”が口臭や体臭に効果のあるファイトケミカルとして様々なサプリメントや健康食品に使用されています。
ガムの成分表示では「銅葉緑素」はクロロフィルを意味し、「◯◯抽出物」はフラボノイドを指していますので、ガムを購入する際は裏面を要チェックです。
ガムを使った口臭対策のデメリット
ここまでの解説でガムが口臭対策に有効であることがお分かりいただけたかと思いますが、ガムを使った口臭対策は完璧ではなくデメリットもあります。ここからはガムによる口臭対策のデメリットをお伝えします。
ガムで口臭対策をするデメリット:ガムを口にできない場面がある
営業職や店舗の販売員など接客業の方は仕事中にガムを噛むことはできませんね。誰しも生活の中で少なからずこのような場面があることと思います。いざ、という時に使えない口臭対策はとても困りますので痛恨のデメリットと言えるでしょう。
確かに自分のことを接客している営業マンがクチャクチャとガムを食べながら話していたら到底買う気にはなりませんね。
ガムで口臭対策をするデメリット:ガムを噛み過ぎるとお腹がゆるくなる
ガムに配合されているキシリトールは腸で吸収されにくい性質があり、それを吸収するために腸から水分が出るため下痢になりやすくなります。ただし、これらの症状は一時的なもので体に害とはなりません。また、下痢になる量にもかなりの個人差があり1個からゆるくなる方もいれば何個食べても平気な方もいます。
私は高校生の頃、口臭を気にするあまり1日でボトルガム半分を食べたことがありましたが、数時間後に下痢になり、次の日には顎が筋肉痛になり痛くて何も食べられなかったのを覚えています。
ガムで口臭対策をするデメリット:口臭に対する効果は20分程度と一時的
Reingewirtzの調査(1999)によりガムは口臭に対して効果的であることがわかりましたが、効果があるのは20分程度とかなり短いことも証明されています。20分ということはガムを噛んでいる時間がほとんどで口から出してからはすぐに効果がなくなってしまうということになります。ガムによる口臭対策はその場しのぎであるということです。
最悪20分ごとにガムを変えるという選択肢もありますが、顎が疲れますし、経済的に見ても現実的ではありません。そもそも、話している間ずっとガムを噛んでいる時点でかなり不自然です。笑
市販のキシリトールガムが虫歯予防にならない現実
砂糖などの甘いものを食べた後に口の中が酸っぱくなりますが、あれは口の中の糖を虫歯菌が分解して酢(酸)を作っているからなんです。ガムの甘味料のキシリトールは虫歯菌と結びつきはするものの酢(酸)を作らないので口の中が酸っぱくなることもなく、虫歯の予防に期待できます。
ただし、キシリトールガムを虫歯予防に役立てるためにはガムの中に含まれているキシリトールの量が9割以上である必要があるのですが、私たちが普段食べているどこでも手に入れられるようなガムのほとんどが3割程度のキシリトール量です。
そのため、スーパーやコンビニで手に入るガムをたくさん噛んだところで虫歯予防には役立ちません。
口臭に効果的なガム選びのポイント
口臭に効果的なガムを選ぶためには下記の点に注意しながらガムを選ぶことが重要です。
- フルーツ味は避け、マスキング効果の高いミント系の味の選ぶこと。
- 成分表記に「銅葉緑素」「◯◯抽出物」と書かれたファイトケミカルを摂取できるガムを選ぶ。
- 砂糖の使用されていないもの(キシリトールはOK)
虫歯予防・口臭対策にオススメのガム
市販のキシリトールガムでは虫歯予防の効果はないというお話をしましたが、キシリトールガムの中には歯科医院専売のキシリトールガムというものがあります。歯科医院専売のキシリトールガムのキシリトール量は90〜100%と高配合で虫歯予防の効果にも期待できます。
ただし、口臭の予防についてはガムによる口臭対策の範囲ではあるため持続時間は短く、一時的な口臭対策にしかなりません。本当に口臭を治したいのであれば一時的な対策ではなく根本的な問題の解決を目指しましょう。